怪獣ヒロンの「こんな私を笑って」

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この感情を何に例えよう

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今日は連絡を待ち続けていた。


台東区千束の某高級サウナからの連絡。
とある嬢のキャンセル待ちをしていたからだ。


「それでは、キャンセルが発生しましたら
 こちらから連絡させていただきますので。
 キャンセルが発生しなかった場合は、
 連絡いたしませんのでご了承下さい。」


そもそもキャンセル待ちしたのは
何らかの手違いで予約が、
取れていなかったからだ。

来るか来ないかわからない連絡を待つ。
それがこんなにも苦しいものだとは。
二度とキャンセル待ちなんてしたくない。


だから、毎回お目当ての子を予約してたのに。


◆◇◆◇◆


待機中、電話の音を聞き逃さぬように
テレビもエアコンも着けずに
羽毛布団にくるまっていた。
キーン。冷蔵庫の音が聞こえた。


(俺、何やってるんだろう?)


とは思わない。

自分の人生を自分を決めたという満足感。
それを単に風俗のキャンセル待ちすることで
感じることが出来る自分の単純さが愛しい。


◆◇◆◇◆


20時半を過ぎ、キャンセル待ちから解放される。


開放感はまったく感じない。
表現のしようの無い感情が湧く。
もっと本でも新聞でも読んでいれば、
この感情を何かに例えらたのかもしれない。


例えてわかりやすくしたところで
誰も知りたくないだろうけど。

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