ズボンの穴

お気に入りのズボンのケツ部分に小さなほころびが出来ていた。《週に3回以上履いていたら、そりゃあほころびもできるだろう。》《穴が空く前に気付けてよかった。》《履けるズボンは他にもまだある。》《修理すれば、まだ履けそうだ。》ありったけの前向きさを使って、前向きな言葉を自分に言い聞かせた。

ズボンの穴は塞げば直ったように見えるが、完璧に元通りになるわけじゃない。充て布やら縫い目やら何やらかんやら。「傷」というものは、直ったように見えても、 決して元と同じにはならない。何らかのほころびがそこにある。

風ｲ谷に行けば、すべてのストレスが解消される。風ｲ谷こそ癒しの場所。 そんなことを思っていたけれど、実際はどうだろうか。「指名嬢が長期休暇する。」「指名嬢から指名NGを食らう。」「指名嬢がすぐ辞める」「指名嬢が超高額店に移籍する。」「指名嬢がイカない。」風ｲ谷に行って心の傷を負うなんて！そんなことは想像もつかなかった。けれどこれは現実なんだ。ここでいう「風ｲ谷」とは高級サウナのことだ。ストレス解消等の理由で、台東区千束の高級サウナに月に1回程度通っている。