行きつけの店
社会人になったら行きつけの店を作りたい。
大学卒業まで実家暮らしをしていた僕は
「行きつけの店」というものに憧れていた。
独り暮らしを始めた縁も所縁もない土地で
そういったものを作れたら最高だ。
そんなワクワク感を持って
独り暮らしを始めた。
「マスター、いつものちょうだい!」
そういうお洒落な飲み屋的なものを
想定していたのだけど、結果的に
西友、キャバクラ、ラウンジ、
といった想定とはかけ離れた
場所を行きつけにしてた。
自分の理想は具体的に思い描くべきだろう。
◆◇◆◇◆
見違えるほど改装された西友。
リニューアルを繰り返すキャバクラ。
箱は変わらずも女の子が歳食ってくラウンジ。
僕だけを取り残しまわりが変わってゆく・・・。
そんな寂しさを感じていた僕だったけど、
新たに行きつけの店を見つけることができた。
◆◇◆◇◆
それは台東区千束にある某高級サウナだ。
ここは家から1時間以内にたどり着くことができ、
風呂入る前に風呂入れば、ボディソープの香りを
漂わせてサウナレディと対面することができる。
やはり、清潔感って大事ですよね!!!!!
そこには失恋の傷を癒やすために通い初めた。
既に2、3年が経過しつつあるけど、
その傷は癒いているのだろうか。
もしかして、
高級サウナに行くだけでは
僕の心は満たされないのか。
いや、そもそもチョメチョメには
心を癒やす効果はないのだろうか。
その答えが見つかるまで、
僕は通い詰めようと思う。